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服育コラム

VOL.23 【サリー】伝播とリユース

■伝播

シルクロードを介してお互いに衣服文化を伝播

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サリーはインドの民族衣装ですが、一枚の布を衣服としていた文化は他にも多くあります。メソポタミア(エジプト)やギリシャ、ローマにかけても似たような衣装を身にまとっていました。ローマ時代のそれは、よく知られているトーガがあります。ローマを舞台にした映画などで元老院の人たちが着ている衣装です。

古代メソポタミアのバビロン王朝時代の女性もそのようなスタイルです。インドのサリーはトーガの影響を受けたという人がいます。また、その逆を言う人もいます。どちらが正しいかは不明ですが、はっきりしていいることは、長い歴史の中でシルクロードを介してお互いに衣服文化を伝播しあったことは間違いないと思います。

歴史的に衣服を眺めれば、どうもインドからヨーロッパにかけての長い布を身にまとう流れと中国や日本を中心にした東アジア圏、あるいは北南アメリカ圏の旧民族には布の中心部を切り抜いたいわゆる貫頭衣の流れがあるように思われます。

■再利用(リユース)

サリーと着物のリユース

使い古されたサリーは、その後キルトをして赤ちゃんの背負子、ベッドカバー、毛布代わり、バッグ、ポシェットに、そして白いサリーはタオルにと様々にリユースされています。その昔、着物を着ていた時代の日本では物を大切にしようとするもったいない精神があり、インドのサリーと同じようにリユースをしていましたが、着物文化がなくなったのと時を合わせたかのように、もったいない精神が消えうせたかのように思います。

サリーを調べながら、再度日本文化の見直しが必要なのではないかと思いました。