こころを育む衣服 服育

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服育コラム

VOL.2 素材の歴史

衣服の着用は弥生時代の後半

史実としてはっきりしているのは、弥生時代の後半(卑弥呼の時代=3世紀)には既に衣服を着用していた事です。それは、貫頭衣といわれているもので上下二部式のものでした。その源流は中国の東北部の方であり、その当時に渡来したといわれています。初期の頃は現在着用しているような肌触りも良く、美しい色で染められた織物でなく、目の粗いざらざらした肌触りも悪い織物でした。

当時の素材は麻(亜麻)綿、絹、毛

又、衣服には様々な素材が利用されていますが、世界の4大文明が発祥した頃からあり、現在も広く衣料として使用されているのは麻(亜麻)綿、絹、毛の4素材です。その歴史にふれてみますと麻は人類が用いた最古の繊維(素材)といわれており、東アジアの原産で,エジプトを中心に古くから栽培されていました。中国では紀元前2200年から知られていたといわれています。

綿の栽培

わが国での栽培も非常に古く卑弥呼の時代には既に栽培されていました。綿はインド、メキシコで紀元前5千年の綿花が発掘され、インドではモヘンジョダロの遺跡から紡錘(糸を紡ぐために必要な錘=おもり)から綿織物の付着した破片が見つかっています。わが国には延暦18年(799年)平安時代に日本に漂着したインド系のコンロン人(中国西部の山岳少数民族)によって伝えられたという事が「日本後記」等に掲載されています。しかし、日本での綿栽培の歴史は浅く,戦国時代の16世紀頃から栽培され,江戸時代(1603~1867)に普及しました。

蚕を飼育し絹を織る

絹は黄河のほとりで紀元前4千年には蚕糸(蚕から糸を作る)されていました。弥生時代には、日本に伝えられていたようです。中国で書かれた【魏志倭人伝】(3世紀)の中で、日本でも桑を植え蚕を飼育し絹を織っていた事を伝えています。

毛(ウール)の軍服

毛(ウール)の歴史は古く、羊が畜(飼う事)化されたのは現在のイラク北部で、およそ1万1000年前の事といわれています。中央アジアからメソポタミアにかけて広まって行きました。又、このウール(毛)が日本において衣料として多く見受けられるようになったのは、比較的新しく明治時代(1867~1912)に入り洋式の軍隊を取り入れ、兵隊に洋式の軍服を着せてからの事です。戦国時代の武将がウール(毛)で作られたマントとか陣羽織(織田信長のそれはペルシャ絨毯を加工したといわれている。)を着用している姿を、テレビや映画で映し出されているのを見た事があると思います。江戸時代までは中国とか西洋との南蛮貿易に頼って羊毛(あるいは毛織物)を入手していたに過ぎません。

これら天然繊維以外にポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維が現在では数多く出回っています。