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服育コラム

VOL.25 チョゴリ(その2)

近世から現在

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それでも韓服は少しずつ変化していきます。

19世紀後半には西欧の影響を受け、男服には前ボタン式、ポケットの付いたチョッキ(ベスト)が現れます。また外出する時には、パナマ帽(冠帽の代用と思えます)を被り、洋靴が普通にはかれるようになります。

女服ではチマを短くしてギャザースカートのようにしたスタイルもでてきました。現在では北朝鮮の職業婦人に用いられているようでTVやグラビア雑誌等で時々見かけられます。

30年程前までは、大都市でも韓服で街を歩く中年以上の男女をよく見かけられましたし、少し地方へいけば韓服姿に出合うのは当然でした。これが70年代後期から徐々に韓服は晴れの日の服になり、素材や色調も華麗になっていきます。現在では女性用のチマチョゴリは、金糸銀糸で刺繍を施したものや、レース素材のものなどで華やかさを競っていますし、男性用も鮮やかなピンクや紫、朱色と決して負けていません。

韓服をもう少し詳しく

既に述べましたが、韓服は「上下分離」の北方アジア騎馬民族系の服飾を基本とした服飾形態で、女性はチョゴリ(上衣)とチマ(スカート)、男性はチョゴリ(上衣)の上にチョッキやマゴジャ(上着)を着てバチ(ズボン)をはきます。

韓服には礼服と普段着があり、チョゴリの下に着る下着やその他の装飾品があります。季節別としては春・秋は重衣、夏には単衣、冬には綿入れした布やキルティングを使って作られたものなどに分けられます。季節によって、また身分によって着る礼法や素材や色相が違います。

素材は様々ですが主にシルク、綿、麻で、オッコルム(上着の結び紐) や袖の色が女性の身分を表していました。また年齢と社会的な地位、季節によって色彩に変化を与えるぐらいで形は基本的に全く同じです。

チョゴリ(上衣)

チョゴリはキッ(襟)、ソップ(前合わせ部分の短冊)、ソメ(袖)、コルム(結び紐)などで構成されています。

チマ(スカート)

チマは女性の下衣で、スカートの胴体部分と腰帯、紐で構成されています。

パジ(ズボン、下袴)

パジは男性の外衣で、身分によってパジの幅と、長さ、色などが異なっていました。

トゥルマキ(コート)

チョゴリとチマの上に着るトゥルマキは、寒さを遮る防寒用として着用されていましたが、後代になるにしたがい礼を備えるの儀礼服としてその着用範囲が広がりました。

ということで、女性用はチマチョゴリであり、男性用はパジチョゴリということになります。(只、韓国でストレートにチマチョゴリ、バチチョゴリといっても意味が伝わらないそうです。あくまでも韓服の中でのチマでありパジでありチョゴリということです。) 股引(防寒用下着)のことをパッチあるいはという地方があると思いますが、これは男性用のパジが語源といわれています。