こころを育む衣服 服育

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服育コラム

第5回 「らしさ」の服装が大切です

社会的立場と、それに対して周囲が求めるイメージを正しく理解することが「らしさ」の服装

「らしさ」の服装とは、その人の社会的立場に相応しい服装であり、それは同時に、周囲がその人の社会的立場に対して無意識の内に求めるイメージを具現化した服装と言い換えてもよいでしょう。例えば、新入社員が自分の初任給よりも高いオーダーメードのスーツを着ているのは「らしさ」の観点からいかがなものでしょうか。いくら良いモノを身につけていても、それがその人の社会的立場に相応しくなければ逆効果になってしまうのです。自分自身の社会的立場と、それに対して周囲が求めるイメージを正しく理解することはとても大切なことなのです。

TPO(時・場所・場面)にあった服装を

服装はコミュニケーションツールであり、服装術はビジネス能力として位置づけられるべきであることは以前に述べたとおりです。社会生活には様々なTPO(時・場所・場面)があります。それぞれのTPOには固有の目的があり、目的が異なればコミュニケーションのとり方、すなわち服装も変えるのが当然ではないでしょうか。つまり、会議には会議にふさわしい服装が、営業には営業にふさわしい服装があり、それらを着分けることが服装を戦略的に考えるということなのです。TPOを無視した服装は、極端な例えですが、結婚式のかっこうで葬式にでかけるようなもの。好ましくない結果を招くことは目に見えています。この失敗を挽回するには多大な時間と労力が必要であり、場合によっては取り返しがつかないことだってあるのです。

しかるに、その服装を「昨日はあれを着たから今日はこれ」とルーチン化したローテーション発想で決めるのはとても危険なことです。人間、どうしても易きに流れがちですから、「今日<は>、まあ、いいか」という怠け心はすぐに「今日<も>、まあ、いいか」に変わり、いつしか惰性で服を着るようになります。惰性に流されて着る服が発するメッセージは、「不精・無頓着」というマイナスのイメージにつながります。それはまた「無気力・無関心・無感動」の象徴でもあり、裸でいるよりは多少マシ、程度のものでしかありません。

今日はどんな予定があって誰と会い、目的は何なのか。これらを考慮したうえでその場に最も相応しい服装を整えて臨む。これが正しい服装プランの立て方ではないでしょうか。

「らしさ」の服装が大切です

外見をよく見せるための努力をあなどってはいけません。服装はその人『らしさ』を無言のうちにメッセージするツールなのですから。