第一印象は「よくて当たり前」
第一印象は「初対面の相手に対して直観的に抱く好き嫌いの感情」と定義されます。英語でファーストインプレッションといいます。
第一印象は「よいほうが得をする」と思われがちですが、これは誤解です。第一印象は「よくて当り前」なのです。ただし、第一印象が悪いと損をすることは確実で、それを挽回するには多大な時間と労力を要します。これを100メートル競走に例えるなら、第一印象がよい=タイミングよくスタートを切ってスピードに乗れる状態です。それに対して第一印象が悪い=スタート直後につまずいて転倒し、おまけにシューズも脱げてしまった状態です。これではどんな俊足のスプリンターでも1等になるのは難しいでしょう。第一印象で損をするのは得策でないことがおわかりいただけると思います。アメリカの学者ケイコ・カウチの報告によると、第一印象は初対面から7~30秒の間に決まってしまうそうです。この、<一瞬間>とも言うべき短い時間に相手に伝えられるパーソナリティ情報は非常に限られたものにならざるを得ません。
第一印象は90%が外見的な要素できまる
また、アメリカの学者アルバート・メラビアン博士によると、第一印象の決定要因は<容姿・容貌・服装>が55%、<雰囲気・立ち居振る舞い>が38%、そして<話の内容>が7%であるといいます。これが有名な「メラビアン法則」です。容姿・容貌・服装あるいは雰囲気や立ち居振る舞いは言わば「見た目」の部分であり、つまり第一印象はその人の内面性とは直接関係ない<外見的な>要素によって90%以上支配されるということになります。
このことの良し悪しを論じてもあまり意味がありません。ほとんど一瞬のうちに、見た目の要素で第一印象が決まってしまうのは事実なのですから、それを受け止めて第一印象をよくするために外見的要素に気を配ろうとすることが、この際選ぶべき途ではないでしょうか。
第一印象は大切です
印象は悪いけれどじっくりつきあえば良さがわかる人がいることも確かです。しかし、昨今は何事もスピード勝負。良さがわかるまでじっくりつきあってくださいなどと悠長なことを言っていられない場合が多いのです。「♪ボロは着てても心の錦」という歌謡曲がありますが、こと今の時代にこれは言い訳にしか聞こえません。なぜならば、心に錦をもつ人は、ボロを着て大事な場面に臨むことなど決してしないのですから。