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服育コラム

第11回 フォーマルウエア

ブラックタイ着用=黒ネクタイはNG!

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パーティやイベントが目白押しのこれからの時季、届いた招待状に「ブラックタイ着用」と記されていたら何を着ていけばよいのでしょう。喪服用の黒ネクタイをしていって大恥をかいたという笑うに笑えない話は、他人事ではないかもしれません。

ブラックタイ=タキシード

フォーマルウェアは、着用する時間帯によって「昼間礼装」と「夜間礼装」に分けられ、さらに場の格式によって「正礼装」「準礼装」「略礼装」にランク分けされます。先ほどの「ブラックタイ」はタキシードのことを指し、タキシードは「夜間の準礼装」に位置づけられます。

フォーマルウェアは時間帯と格式で選ぶ

フォーマルウェアは時間帯と格式で選ぶ

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時間帯と格式に合わせて着分ける必要があるというものの、今日「正礼装」であるモーニングコート(昼間)やテールコート(夜間)を着用しなければならないのは結婚式の仲人や宮中で催されるセレモニーやオーケストラの指揮者などごく一部に限られていて、ほとんどの場面は「準礼装」でカバーできてしまいます。ちなみに、「昼間の準礼装」は黒のジャケットに黒白縞のスラックスを組み合わせるディレクターズスーツです。

略礼服=ブラックスーツ

ところで、<略礼服>と「略礼装」は似て非なる物であることをご存知でしたか。いわゆる<略礼服>とは黒の上下揃い(ブラックスーツ)で、慶事にはこれに白のネクタイ(家紋入りもあるらしいです)を、弔事には黒のネクタイを合わせるのですが、実はこれはわが国にしか見られない装いでして、結婚式帰りの一団が揃いも揃って同じ礼服に身を包んでいる様は外国人、特に欧米人の目にはなんとも奇異に映るようです。

略礼装(平服)=ダークカラーのビジネススーツ

一方「略礼装」とは、日常着用する濃紺やグレーなどダークカラーのビジネススーツを礼装として用いるものです。略礼装に関しては昼間・夜間の別はありません。招待状に記される「平服」とは「略礼装」のこと。たとえば、濃紺のスーツに白シャツとワインレッドのネクタイを合わせて胸ポケットに白のチーフを挿せば、エレガントなパーティウェアの出来上がり。結婚式のお呼ばれには、スーツ、シャツはそのまま、ワインレッドに代えてシルバーグレーのネクタイを合わせましょう。<略礼服>の一団からさほど浮き立たず、それでいて段違いの格調高さで差別化できるはずです。

フォーマルウェアの着用で大切なこと

フォーマルウェアは様式美を重んじる衣服です。身に付ける人の<社会的成熟度>が問われる衣服でもあり、このときばかりは個性的であるよりもルール通りの装いに徹するほうがよいでしょう。