こころを育む衣服 服育

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服育活動レポート

服でできるエコ/神戸市立太山寺中学校

服でできるエコ/神戸市立太山寺中学校

服でできるエコ/神戸市立太山寺中学校

対象:
神戸市立太山寺中学校 中学1年生
日時:
2009年5月14日(木)14:30~15:30
目的・経緯:
太山寺中学校では中学一年生で環境学習を深めるため、環境施設の社会見学を予定されています。 その事前学習の意味も込めて、身近な衣服を通した環境問題についてお話させていただくことになりました。

服はどれくらいゴミになってるんだろう?

私たち一人ひとりにとってなくてはならない衣服ですが、環境問題とからめて考えるということはあまりないかもしれません。

今回はこれから学習を深めようとしている環境問題について、この身近な衣服を通してどんな問題や取り組みがあるのか、そして自分たちにできることは何なのか考えていきました。

まずは「衣服と環境」の中から特にゴミ問題を取り上げ、「服はいったいどれくらいゴミとして捨てられているでしょう?」という問いかけから入りました。

①9割 ②5割 ③2割 の三択で聞いたところ、どの選択肢にも手があがりましたが、答えはなんと「9割」!ほとんどの服がそのまま捨てられゴミになっているという現状にびっくりした子も多いようでした。

ではこの9割のゴミを少しでも減らすためには何ができるのか?それを①企業の取り組みと、②みんなができること の二つの観点からお話していきました。

授業風景

私たち(チクマ)の取り組み

今回は企業の取り組みということで3種類のリサイクルを紹介しました。

まずは「ペットボトルリサイクル」です。

ペットボトルリサイクルについては後日「こうべ環境未来館」で展示見学することになっているということでしたので、予習の意味も込めてその仕組みについてお話しました。

ほとんどの子どもたちはペットボトルが服になるということは知っていたようでしたので、どのようにして硬いペットボトルがやわらかい衣服になるのか「フレーク→チップ→綿→糸→衣服」の順をおって実物サンプルを見せながら詳しく説明していきました。

続いては着用済の衣服を他のものにする「マテリアルリサイクル」と、衣服を再び衣服にする「ケミカルリサイクル」についてこちらも実物サンプルを示しながらお話していきました。

衣服についてこんなに様々な取り組みがなされていることは初めて聞く子が多かったのか、みんな熱心に聞いてくれているようでした。

私たちが取り組みのキーワードにしている「もったいない」という言葉に対しても、日本語である「もったいない」が世界的に注目されているということは驚きのようでした。

リサイクル実験サンプル

みんなにできること

では自分たち自身にはどのような取り組みができるのか?それを「みんなにできること」として考えていきましたが、ここで大切になってくるのが3R(Reduce, Reuse, Recycle)です。

お下がりなど衣服をもう一度使う「リユース/Reuse」や、服をバッグや裂き織りにするなど形を変えて再び使う「リサイクル/Recycle」といった取り組みもありますが、何よりも大切なのは買う時にきちんと考えて無駄なものを買わない「リデュース/Reduce」ではないでしょうか。

買う時に「本当にその服は必要なのか」「長く着ることのできるデザインや素材なのか」「環境に優しい工夫をして作られているのか(エコマークなど)」一人ひとりが考えて買うだけで無駄なゴミはぐんと減らすことができます。

その他にも季節にあわせて衣服を効率よく着用する「クールビズ」や「ウォームビズ」など、子どもたち自身でも取り組める衣服のエコな工夫はたくさんあります。

一人ひとりが環境のことを考え行動できる『グリーンコンシューマー』になること、それが私たちみんなの地球を守るために大切なことなのです。

先生のご感想

現在、一年生では環境について学んでいく計画をたてています。しかし、ただ、漠然と学ぶのではなく、自分とどう関わっているか、また、何が出来ればいいのかを考えていけるようになればと思っています。

今回のテーマは「ペットボトルと服」というものでした。家庭や学校で、ペットボトルのリサイクルについて取り組んでいる人はいると思いますが、その後どうなっていくのかまで良く知っている人はそう多くないでしょう。

ペットボトルが繊維となり、服にもなっていくことや、現状では服の9割が廃棄されていくことを知りました。生徒の皆さんが、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の大切さを理解し、グリーン・コンシューマー(環境のことを考えた消費者)になれることを願っています。

次年度は、「制服の着こなし講座」でお世話になりたいと考えています。本日はわかりやすく解説をしていただき、ありがとうございました。
立野 亮 先生(社会)

生徒さんのご感想

洋服が捨てられるのは、せいぜい5割程度かなあと思っていました。しかし、9割と聞くと、びっくりして「もったいないなあ。私なら捨てずに誰かにあげたりするのになあ。」と思いました。でも、これから服を大切にして、みんなが「グリーンコンシューマー」になれたらいいのになあと思いました。
いつも、「エコ」「温暖化」とかよく聞きますが、僕は今まで行動というよりか自分の頭の中に入っているだけでした。今日の有吉さんの話を聞いて、すごく「エコ」についてよく分かるというか、こういうところでも「エコ」しているんですよということを言いたいのだなと思いました。これからは、行動して「エコ」していきたいと思いました。
自動車の防音材、収音材、断熱材として使われていたことを知って、かくれたところでもペットボトルを加工したものが使われているんだなと思った。私も環境のことを今まで以上に考え、自分たちが身の回りから「eco」を始められたらいいです。