想像力で使いこなそう“ふろしき”
- 対象:
- 高槻市立松原小学校 6年生
- 日時:
- 2017年12月13日(水)
- 経緯:
- 長い間日本でものを包む道具として活躍してきたふろしき。しかし近年はその地位を様々な形態のバッグに奪われ、ふろしきを目にすることも稀になってきました。日本人の知恵が詰め込まれたふろしきの良さを見つめ直すことで日本文化の特徴について考え、さらには自分達の生活の中での活かし方について学ぶため、家庭科の中で「ふろしき授業」が企画されました。
ふろしきって何だろう?
昔は家に必ず一枚はあったふろしきですが、最近はそんなおうちも少なくなってきたようです。
6年生の皆さんに「家にふろしきありますか?」「おうちの人がふろしきを使っているのを見たことありますか?」と聞いたところ、手を挙げてくれたのはほんの数人で、ふろしきという存在自体が子ども達の生活の中から消えてしまっていたのです。
バッグに比べて使いにくいイメージのあるふろしきですが、本当にそうなのでしょうか?
この点について考えるため「ナイフ・フォーク」(西洋文化)と、「はし」(日本文化)を例にあげ考えてみました。
「ナイフ・フォーク」は刺す・切るというそれぞれの役割に特化した形をしており、その役割をする上ではとても使いやすい道具です。その反面、それ以外の使い方をするのは難しいです。
一方「はし」は、つまむ、切るなど様々な使い方をすることできますが、使いこなすためには練習が必要です。しかし練習をして使いこなすことができれば、非常に便利で多用途に使えるのが「はし」なのです。
「ふろしき」も「はし」と同じです。使い方をマスターしさえすればとても便利に使うことができるものなのです。
ただ、今の子ども達はその使い方を知らないだけなのです。
ふろしきを使いこなそう!
では実際にふろしきを使いこなすためにはどうしたらよいのでしょうか?
実は使いこなすためにはまず習得しなければならないことがあります。それは「真結び」です。
結び目が横になる「真結び」がきちんとできれば、持っている途中に結び目がほどけたりすることもありません。反対に結び目が縦になる「縦結び」になってしまうと、ほどけやすいだけでなく、結び目が固くなるととてもほどき難くなってしまいます。
この真結びの確認をするため、まずは自由にお使い包み(お弁当包み)をしてもらいました。
結び目を確認したところ半数近くの子ども達が縦結びになっていましたが、真結びと縦結びの違いを説明し正しい結び方を伝えると、苦手な子には教え合いながらクラス全員がしっかりと真結びをマスターすることができました!
どうすれば包むことできる? ふろしきクイズ
基本をマスターしたら、次は応用編です。
形や大きさにより用途が決まっているバッグと違い一枚布のふろしきのよいところは、どんな形のものでも包み方の工夫次第で包むことができる点です。
応用編としてバッグとしての使い方やペットボトルの包み方などに実際に挑戦してもらいましたが、今まで抱いていたふろしきのイメージとは違う使い方にみんな驚きのようでした。
そして最後は、一見包みにくそうに思われるもの(寿司桶、細長い箱)をどうすれば包むことができるのか、「ふろしきクイズ」に挑戦しました。
難しいものもありましたが、予定していた答えとは違う結び方を思いつく子もいたりして、子ども達の自由な発想に驚かされました。
想像力豊かに使いこなせば、自由に何でも包むことができるふろしき。子ども達にとって馴染みのないものだったかもしれませんが、今回の授業を通じてその面白さに気付いてくれたのではないでしょうか。
「家に帰って、真結びできるか聞いてみる!」「クイズ出してみる!」という子もいて、子ども達が得た新しい知識が家庭の中にも広がっていくなんて嬉しいですね。
児童の感想
- 最初は「ふろしきよりバッグを普通に使った方がいいじゃん」と思っていたけど、ふろしきは包み方でいろんな物を入れることができるというのを学習したら興味が出てきました。例えばバッグに細長い物はおさまりきらないけど、ふろしきなら包めるというところです。次からはバッグにおさまらない時やバッグがない時にふろしきを試してみようと思いました。
- 僕は真結びをお母さんとおばあちゃんに出したら、二人とも真結びのやり方をしらなかったので教えてあげました。これを知っていたらどっかに行く時にふろしきで包んでかわいらしく見せるのもいいと思いました。何か持っていく時に、ふろしきを使っていきたいです。
- 一枚の布でたくさんの使い道があることにおどろきました。ただ包むだけでなく、包むふろしきを選んだり、どんな包み方をするのか考えたりすることも楽しそうだなと思いました。