外見を「力」に変える服装術~きちんと着るからカッコいい!~
- No.:
- 第18回 服育ラボ定期セミナー
- 日時:
- 2014年7月25日(金)
- メイン:
- 外見を「力」に変える服装術~きちんと着るからカッコいい!~
- メイン講師:
- 池田 衛(イメージコンサルタント) ⇒プロフィール
- PDF:
- セミナー詳細フライヤー
外見を「力」に変える服装術~きちんと着るからカッコいい!~講師:池田 衛(イメージコンサルタント)
パーソナルアイデンティティ戦略を専門とされる池田衛先生は、戦略的なイメージづくりの観点から服装術を多方面でアドバイスされています。今回は学校の先生方を対象に、生徒指導にもいかすことのできる 服装術について、「外見を「力」に変える服装術」としてお話しいただきました。
1.服はツール、服装はスキル
「能力があれば、外見なんて関係ない」「人を外見で判断してはいけない」などと言いますが、もしも外見も能力だとしたらどうでしょうか?実は外見も「コミュニケーション能力」という能力のひとつで、ノンバーバルコミュニケーションである服も、コミュニケーションツールであり服装(意図を持って着た時)はコミュニケーションスキルになるのです。
キーワード1 外見は能力
2.第一印象の重要性
約6秒で決まると言われている第一印象についても、その決定因子の多く(93%)は外見的要因です。第一印象はよくて当たり前、悪いと確実にソンをしてしまうのです。
キーワード2 第一印象はビジュアル90%、第一印象が悪いとソンをする。
3.パーソナルアイデンティティと服装
イメージは情報であり、「イメージ戦略」は情報戦略であるということができます。個人のイメージ戦略であるPI(PersonalIdentity)は、個人のパーソナリティを瞬間に的確にコミュニケートするための外見術であるのです。
キーワード3 イメージは生産性を左右する
4.服装術の正しい理解
服装術は好きな服を好きに着るオシャレとは違います。近い言葉では「身だしなみ」がありますが、「身だしなみ」が他人を不快にさせない配慮の守りの着こなしであるのに対し、「服装術」は自分のイメージを的確に相手に伝えるための攻めの着こなしということができます。
キーワード4 オシャレきちんと装う
5.「らしさ」の服装
らしさ」の服装とは、社会的立場やTPO(Time, Place, Occasion)との整合性をもった服装です。
キーワード5 「らしさ」=社会性
<参考>服装を指導するということ
(1)まずは隗より始めよ
(2)「なぜ」を説く
(3)身に着けるものに誇りを持たせる
(4)特効薬はない
行動を変えるためには意識を変えなければなりません。行動変容を促すことが教育の目的ではないでしょうか。
講師のご紹介
- 池田 衛
- イメージコンサルタント
1962年長野県生まれ。1985年学習院大学卒。アパレルメーカー勤務を経て1993年にオフィスセミックを設立。
2009年より文化服装学院就職支援室スタッフを主務とし、3,000名を超える在校生のキャリア形成を支援している。専門はパーソナルアイデンティティ(PI)戦略。戦略的なイメージつくりの観点から服装術をアドバイスする。
国会議員、企業経営者、タレントから就職活動中の学生、転職希望の社会人にいたるまで、幅広いクライアントを手がける。官公庁や地方自治体、一般企業、大学・専門学校をはじめとする教育機関における指導実績多数。
国家資格キャリア・コンサルティング技能士2級株式会社チクマが提唱する「服育」の理念に賛同し、2006年以来、全国各所で開催された服育イベントで講演、服育の普及活動を支援している。
質疑応答講師:池田 衛(イメージコンサルタント)
参加された先生方は皆さん熱心に聞いておられ、質疑応答にも多くの質問があがりました。
ネクタイを緩めて締めるのはなぜダメか
あるべき形のものをあるべき形で身に着けるべきである。では、なぜそういう形なのかということを知ることも大事なことです。ものの由来を生徒と話すことで、理解につながるのではないでしょうか。*ネクタイの由来
元々ネクタイの発祥は、ルイ14世が親兵としてクロアチアから呼び寄せた騎兵が首に巻いていたクラバット(スカーフみたいなもの)が元となっている。これは、愛する人の着用している服の一部を首の周りに付けると生きて再び会えるという言い伝えがありお守りとして使われた。また、急所となる首の頸動脈を守るという意味合いもあった。
≪腰パンはなぜダメか≫
元々ヒップホップの人たちが腰パンで着用していた。ただ、これには理由がある。 囚人として刑務所入所している間、自殺を防ぐために、ベルトや長い紐状のものは身に着けさせない為、ズボンがずり落ちた状態で着用する。無実の罪でとらえられた仲間を思い、抗議する意味で 仲間たちが、そのように腰パンで着用し始めたそうだ。彼らにはとっては人種差別に対する抗議の意味を持った行動だったが、日本にファッションとしてそのスタイルが入ってきたときには、その思想だけがなくなっていた。
上記の質問以外にも「クールビズで前釦を2つ外すことはいいのか?」や「長袖を腕まくりすることはいいのか?」などいろいろな質問がありましたが、特に服の由来に興味を持たれた先生が多かったようです。服装指導に日々取り組まれている先生方にとって、新しい観点のセミナーだったようです。
参加者のご感想
- いろんな疑問がクリアになりました。ただ、それを生徒や学校での活動に活かしていくには、もっと自分のことばで説得できるくらい自分自身の中で噛み砕き理解する必要がありそうです。自分なりにもう少し調べたり学んでいきたいと思いました。(中学校 家庭科教諭)
- 生徒たちは「なぜ」とよく聞いてきます。服装(服)の由来をきちんと知ると、それを踏まえてきちんと装うことを伝えたいと思いました(高等学校 教諭)
- 服装指導をコミュニケーション能力向上の観点から行うのは興味深かったです。見られるということだけ(守り)ではなく、どう見せるか(攻め)という観点から現場で指導すれば、没個性に陥ることも避けられそうで、個性を伸ばすと