- 2009年2月26日(木)配信
皆さんこんにちは。企画スタッフの有吉です。
最近嬉しかったことは、仕事帰りで疲れて歩いている時にいつもの駅で出会った沈丁花の香りです。
都会の忙しい交差点にも沈丁花が植わっていて、この季節になると風にのって強い甘酸っぱい香を放っているのです。これって自然のアロマセラピーかもしれませんね。
さて、今頃って感じですがお雛様を飾りました。
といっても立派な七段飾りとかではなく小さな小さなお雛様です。
桃の花も買ってきたので、我が家も少しだけ春の装いになりました。
↑ぼんぼりや木はちりめんの布でできています。
うちのお雛様は小さな立雛なので分かり難いですが、一般的なお雛様はきれいな十二単を纏っていますよね。
何枚もの着物を重ねて着る十二単(12枚重ねているわけではないですが)の中には、四季折々の自然の色が映し出されました。
それが「かさねの色目」と呼ばれるもので、何枚もの着物をかさねた時の色や表地に裏地の色が透けてみえるかさねの色などで、数少ない染色材料の中から複雑な色目を生み出し楽しんでいたのです。
例えば春の季節だと梅重(濃紅×紅梅)や紅梅匂(紅梅×淡紅梅)、柳(白×淡青)、桜(白×赤花)や菫(紫×淡紫)など花や木からとった美しい色目がたくさんあります。
もちろん雛人形につきものの桃という色目もあって、これは淡紅と萌黄の組み合わせになります。(お雛様がこの色目の着物を着ているというわけではないのですが・・・)
薄い絹が透けてかさなる色のハーモニーの中に映し出された四季の美しさは、私たちの大切な文化ですよね。
何百年、何千年と受け継がれてきた日本人としての美意識を忘れたくないなと思いました。
とりあえずはせっかくのお雛様を一週間しか飾らないのはもったいないので、旧の暦にしたがってあと一月くらいは飾っておこうかなと思います。(早く片付けないとお嫁にいけないなんていいますけどね)
うちの母も長く飾った方がお雛様も喜ぶといつも旧暦で飾っていたのですが、あまりにも娘三人が嫁にいかないので途中からは3月3日前にしまうようになりました・・・。
その後娘三人とも無事お嫁にいきましたが、実家では今でも母が七段飾りを毎年出してくれています。
年に一回の新鮮な空気を、お雛様も喜んでくれているでしょうね。