衣服がつなぐ人・環境・未来/名瀬地区家庭科研修
- 対象:
- 名瀬地区高等学校家庭科研究会(愛知県)名瀬地区高等学校家庭科教論
- 日時:
- 2013年1月23日(水)14:30~16:15
- 目的・経緯:
- 愛知県においてはこれまでも愛知服育研究会を中心に様々な服育活動を行ってまいりましたが、今回は愛知県名瀬地区高等学校家庭科研究会に招いていただきお話しすることになりました。 近年家庭科の中でも重要度が増してきている「環境」をメインテーマに、家庭科にいかすことのできる服育の切り口をご紹介させていただきました。
安全・健康から社会性、環境まで
衣服について日頃から考えることも多い家庭科の先生ではありますが、改めて見つめ直していただきたいと、まずは「服育」の中の大切なテーマである、「健康・安全」から「社会性」「環境」とお話しさせていただきました。
どのテーマも衣服を考える上で大切なことだと認識されていたと思いますが、例えば子ども服の安全基準が日本にはないなどといった情報等は、改めて日本の衣服のおかれている現状について考えるきっかけになったようです。
衣服ライフサイクルは環境を知る入り口
研修のメインテーマである「環境」については、衣服のライフサイクル(原材料-紡績・縫製-物流-着用-リサイクル・廃棄)を遡りながら説明していきました。
ライフサイクルを通して説明したのは、ゴミ、温暖化、水質汚染などの様々な環境問題に衣服も関わっていますが、それをばらばらに考えるのでなくつながりある問題として私達の衣生活に深く関わっている身近な問題であるということを感じてもらいたかったからです。
講義だけでなく体験的にも学んでいただきたいと、衣服のライフサイクルをおさらいすることのできる「制服の一生すごろく」をチーム対抗で体験したり、ペットボトルリサイクルの実験を見学したりしていただきました。聞くだけでなく目で見て体験するものはやはり分かりやすいようで、皆さん「授業でも取り入れたい」とメモをとりながらやり方を確認しておられました。
衣服のノンバーバルコミュニケーションについて考えるために
最後に衣服のコミュニケーション力についてもお話しさせていただきました。
衣服がノンバーバルコミュニケーションの重要な要素になっていること、またそれを生徒たちに考えさせるための論法など、先生方にとっても参考になる部分があったようで皆さんとても熱心に聞いておられました。
授業時数の限られる中衣服分野をどのように扱うか悩まれている先生のおられたようですが、ご紹介した具体的な内容や様々なフレーズは先生方にとっても参考になったようです。
先生のご感想
- 衣服を通して、環境負荷の少ない生活について考え、自分の生活意識やライフスタイルを見直すことができるような授業展開はできないかと悩んでいました。
今回の研修を受け、衣服について、原材料-紡績・縫製-物流-着用-リサイクル・廃棄というライフサイクル思考を持つことが大切だと感じました。「制服の一生すごろく」では、このライフサイクル思考について、体験を通して学ぶことができ、さらに、衣服と環境のつながりがとても分かりやすく参考になりました。
また、衣服がノンバーバルコミュニケーショに大きな影響を与えていることに、改めて気がつきました。衣服を通して、自分らしさをどのように他者に伝えていくのかを考える必要があると思いました。
今回の研修は、衣生活分野の授業を考えるにあたって、新しい視点をもつことができました。どうもありがとうございました。
廣瀬真希子 先生(家庭科)愛知県立名古屋南高等学校
参加者のご感想
- 豊富な内容を非常に分かりやすくお話しいただき大変有意義でした。体験(ペットボトル)はすぐにでも授業に使えそうです。どうも有難うございました。(高等学校家庭科教諭)
- 授業では取り扱うものの、日頃忘れがちになっている大切なことに改めて気づき大変勉強になりました。すごろくも遅くあがった方がよいなど斬新で最後に気づきを与えることができおもしろいと思いました。衣服と社会性に関しても、なぜ制服をちゃんと着なければならないかが分かって指導の上でもとても参考になりました。ありがとうございました。(高等学校家庭科教諭)
- 服、衣生活について環境、社会性の面で見ることができました。新しい発見もありよい内容でした。衣生活分野の授業のあり方に悩んでいたので、とてもよかったです。(高等学校家庭科教諭)
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