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服育活動レポート

第1回九州服育研究会定期セミナー「服育で育む豊かなこころとコミュニケーション力」レポート

服育で育む豊かなこころとコミュニケーション力

服育で育む豊かなこころとコミュニケーション力

No.:
第1回九州服育定期セミナー
日時:
2019年8月21日(水)14:00-16:00
場所:
エルガーラホール 7F多目的ホール
対象:
学校・教育関係者
参加費:
無料
主催:
一般社団法人九州学校制服会
主幹:
九州服育研究会
後援:
福岡市教育委員会、北九州市教育委員会
PDF:
定期セミナー詳細
セミナー:
服育で育む豊かなこころとコミュニケーション力 ~何が伝わるのか、何を伝えるのか~
事例紹介:
1.環境を守る 2.子ども達を守る 3.教育現場での取り組み

セミナー/服育で育む豊かなこころとコミュニケーション力 ~何が伝わるのか、何を伝えるのか~講師:服育net研究所 有吉直美

1.私たちはなぜ服を着るのか?

私たちが服を着るにはいくつか理由があります。自分のための目的である「防護性」「機能性」、そして社会があるからこそ必要となってくる「象徴性」「審美性」です。
会場で今日着ている服を選んだ理由を聞いてみると、皆さんそれぞれにこれらの目的を考え選んでおられました。その4つの目的全てに関わってくるのが、TPO(Time時間、 Place場所、 Occasion場合)です。

2.オンタイムの服をきれいに着こなすために

TPOと共に大切になってくるのが、オンタイム(オフィシャルタイム、みんなの時間)とオフタイム(自由な時間、自分の時間)の切り換えです。特に仕事や学校に行く時のオンタイムの服を着こなすためには、センスだけでなくスキル(技術)も重要です。TPOに応じた服のスキルについて、その意味も含めて子ども達に伝えていくことが大切なのです。例えばネクタイのきれいな結び方のコツと共にその意味や歴史も知っていれば、ネクタイを身に付ける時の気持ちも変わってくるかもしれません。
また、清潔感も印象を左右する重要なポイントです。仕事の場での服に関するアンケート「服でよい印象を持ったことがある」「服で悪い印象を持ったことがある」の理由第一位はどちらも「清潔感」でした。つまりそれだけ「清潔感」は印象に大きく影響するのです。
服を着こなすためには、しっかりと着るシチュエーションをイメージして考えることが重要です。例えば、5W1Hなどを使い、具体的にイメージしてみるとよいでしょう。

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3.服から広がる世界 服とSDGs

服が与える印象からの人とのコミュニケーションはもちろん大切ですが、私たちはこの地球上で様々なモノやコトと関わりながら暮らしています。自然や多くのモノやコトと様々にコミュニケーションをとり、共有しながら暮らしているのです。
そういった多様な事柄を広い視野を持って考える上で大切になってくるのが、2030年に向けて世界が合意した持続可能な開発目標であるSDGs(Sustainbale Development Goals)です。
世界の貧困問題、環境問題、社会的公正、倫理的消費などの17のゴールを掲げ、その解決に皆で取り組み、誰も取り残さない「No one will be left behind」な世界を実現しようという国際目標です。
服はこういった活動から一見遠く見えてしまいますが、服のライフサイクル(一生)を見つめ直すと様々な環境問題との関わりが見えてきます。また食に比べて圧倒的な輸入比率から、私たちの消費行動を振り返り考えることができるでしょう。誰にとっても身近な服だからこそ視点を変えることによって、自分の事として考え、想像し、行動にうつすことのできるものに成りえるのではないでしょうか。

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事例紹介

1.衣服で唯一「福岡県産リサイクル」認定ユニフォーム (株)チクマ 福岡支店ユニフォーム 課長 藤和弘

福岡県には一定の基準を満たした製品を「福岡県産リサイクル認定製品」として認める制度があり、県内のリサイクル産業育成と循環型社会形成に寄与しています。県内でリサイクルされたペットボトル再生繊維を使った私たちのユニフォームは、繊維製品として唯一認定されています。採用していただいている企業や自治体からも、信頼できるリサイクル製品として喜んでいただいています。

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2.最後まで責任を!着用後ユニフォームリサイクル (株)NCS 濱本美由紀

北九州市のエコタウンにあるNCSでは、着用後回収された衣服を反毛、フェルト化し車の内装材などにリサクルする取り組みを進めています。契約するユニフォームだけでなく、北九州市と共に北部九州古着地域環境推進協議会を設立し、古着を地域内で着実に資源として循環する地域循環圏の形成に努めています。

3.交通事故から子ども達を守る!高視認性ベスト (株)ムネユキ 取締役 宗雪修一郎

視認性の高い色の服を着せて子ども達を守る取り組みは、ヨーロッパなどで広がってきています。交通量の多い北九州で子ども達を事故から守りたいと、高視認性ベストの着用モニターを2校の小学校で行いました。運転手にとって子供が視認しやすくなるだけでなく、着用した児童から「着ると車に気を付けようと思うようになった」という声があがるなど、見る側、着る側共に効果があったようです。

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参加者のご感想

服の役割から、世界に向けて心を育てていくヒントがたくさんつまった講演有難うございました。難しく考えていましたが、もっと  身近に感じてもらえるように伝えていきたいと思いました。(高等学校家庭科教諭)
環境に配慮したリサイクル製品の活溌など、持続可能な社会に貢献する取り組みを知る事ができてよかった。子ども達への視認 性を高めた安全ベストも有効な商品開発だと感じた。(高等学校家庭科教諭)